コンプレッサーの話 - [ TIPS ]

コンプレッサーの話



最近ろくに音楽の話をしていなかったので、久々に音楽の話をしようと思います。(DTMブログなのに・・・)

今回は、ミキシングで欠かせないエフェクトのひとつ "コンプレッサー" について書いてみます。

コンプレッサー(以下、コンプ)は、最初は使い方や効果が良くわからず、どハマりする人の多いエフェクターかもしれません。

ギタリストやベーシストの場合は、マルチエフェクターなどに必ずといっていいほど入っているので、音色にこだわり出すと触る機会が増えると思います。DTMerも、たいがいのDAWソフトには元々入っているので、慣れてくると触れる機会は多いはず。

未熟な私めが書くには奥が深すぎるエフェクターですが、行き詰っている方などの参考になれば幸いですφ(ー`)

さて、コンプにはいろんな使い方がありますが、筆者が使う場合の主な目的は概ね下記の3点です。

[1] 音量(音圧)を調整する
[2] 質感を調整する
[3] 周波数帯域を調整する

[1]「音量(音圧)を調整する」 は最も多いパターンです。よくエレキギターのカッティングやアコースティック・ギターのストロークなどが例に挙げられますが、こういった楽器の演奏表現による強弱(音量差・ダイナミクス)を整えてあげることで、より聴きやすくしたり、他の楽器との整合性を取ったりと、様々な用途で使用することができます。


上図は、ギターストロークなど楽器演奏中の音量の下限・上限をイメージしています。

コンプを使うことで、ある一定の音量に達した際に圧縮がかかるように設定することができます。(圧縮がかかりはじめる「しきい値」をスレッショルド・レベル という)

これにより上限が押し下げられ、図の中央のように音量の振れ幅は小さくなります。

次に、この状態のままアウトプット・レベルを上げることで(図右) 振れ幅が小さいまま全体音量が上がり、音量の底上げを行なうことができる、という仕組みです。

ただし、アウトプット・レベルを上げるということは、録音されているノイズ成分も持ち上がるということなので、元ソースが良いに越したことはないというのは言うまでもありません。

圧縮がかかる際の実際の音色変化は口で説明できるものではありませんし、極端な使い方をすると本来の抑揚が損なわれる危険性もあるので、いろいろなソースで試し、実際に耳で音色の変化を確認してみると良いと思います。

コンプレッサーは、以下6つのパラメーターを理解すれば、ほとんどのモデルで応用がきくはずです。

「スレッショルド・レベル」 「 レシオ (しきい値を超えた信号に対する圧縮の比率)」 「アタックタイム (圧縮のピークまでの時間)」 「リリースタイム (圧縮のピークから戻る時間)」 「 Knee(ニー):圧縮のかかり方のタイプ」 「アウトプット・レベル (出力音量)

余談ですが、このようにコンプで圧縮することを、「つぶす」と言ったりします。








[2] 質感を調整するは、[1]の作業に伴う音色変化、もしくは機種固有の音色変化による効果を狙うものです。

ハード・ソフト含めると、もはやコンプだけでもとんでもない数がリリースされていますが、エンジニアさんはそれぞれの個性や特長を生かして使い分け、その楽器の演奏方法や録音状況などを総合的に判断して、最適な組み合わせをチョイスしています。(こんなん全部覚えきれるか!!)

質感という意味ではEQのタイプなどでも同様のことが言えますし、サチュレーター、アンプ・チューブのシミュレーター、LoFiなどの類も、こういう用途で使う場合は概ね狙う方向性が同じと言って良いと思います。

これらの用途でコンプから進化したエフェクトもいっぱいあります。ディエッサー、エキスパンダー、ノイズ・ゲート・・・、またコンプレッサーへのサイドチェーン入力で大胆に変化させたサウンドも、最近は耳にする機会が多いかと思います。


[3] 周波数帯域を調整する
、このあたりになると少しコアな話になってきますが。。

周波数帯域を区切って、ステレオ2chコンプを複合させたマルチバンド・コンプレッサーなどはもちろんそうですが、単純にモノラルのコンプでも同じようなことが言えるかと思います。

例えば、ドラムキット全体にコンプをかけた場合、キックが飛び出していれば当然キックに対して強くコンプレッションがかかります。

これはスネア単体にコンプをかけた場合も同じで、スネアの音色はサイン波のように特定の周波数のみで成り立っているわけではなく様々な周波数の音が絡み合って形成されているので、ワンショットの中でも飛び出た周波数成分に対して強くコンプレッションがかかります。

この効果により、スネアのようなワンショットでは飛び出た周波数帯域が抑えられて粒が揃ったように聞こえ、ドラムキットやセクションなどではまとまりを出す効果を得ることができます。

マルチバンド・コンプレッサーは、可聴範囲をいくつかの帯域に分け、それぞれに異なった効果を与えることができますので、よりきめ細かな処理ができるツールです。


最後に。完成した楽曲の音圧や音質を調整するマスタリング作業で多用する、リミッターマキシマイザーなどもコンプレッサーの仲間ですが、最近は iZotope Ozone などのように、マルチバンド・コンプレッサー、リミッター、EQ、ステレオ・イメージャーなど、必要なツールが統合されたエフェクターが人気です。

やや高めのPCスペックが必要になる場合もありますが、なにより個別に買うよりお得なのでおススメです!


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